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ゼネコンとは、建物の工事を行う総合建設業者をいいます。設計部などの“内勤部署”と工事現場の“外勤部署”がある大きな組織です。設計・施工・研究といった建設業のあらゆる業務を扱うため、ものづくりを心ゆくまで楽しむにはぴったりの組織といえるでしょう。しかし、労働環境が過酷という評判からゼネコンに志望するのを躊躇してしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ゼネコンがきついと言われる理由をご紹介します。きつい部分を受け入れながら楽しむことができるか、ぜひ想像してみてください。
目次
ゼネコンがきついと言われる理由
それでは、ゼネコンがきついと言われる理由をみていきましょう。
コスト・工期が厳しい
ゼネコンで最も労力がかかるのは、コストと工期の管理です。ゼネコンは施工を行うため、実際に資材を購買・レンタルする際の単価の設定・交渉を行い、足場などの仮設費や労務費を含めた工事全体のコストをコントロールしなければいけません。
工事を行っている間にも、建築主の要望や施工調整で多くの変更が生じるのが一般的です。変更が生じた場合、変更の実施の可否の検討、コストの算出、建築主との変更内容・金額の合意などのプロセスを踏みながらコストをコントロールします。工期を守りながらの変更対応は時間的な猶予がないことが多く、設計部・現場とも身体的・精神的な負担を強いられます。
限られた時間の中でコスト・工期を検討して会社の利益を確保するのが、ゼネコンで働くうえで最もきついと感じる作業といえるでしょう。
危険が隣り合わせ
建設現場では危険が隣り合わせです。労働基準監督署の指導が年々厳しくなり、ひと昔前と比べると建設現場の安全環境は整備されています。それでも、ふとした油断などによる事故がなくなることはありません。
事故が発生すると、現場に影響が出るだけでなく、当事者の家族などに多大な負担がかかります。労働災害発生時の精神的な負担がゼネコンのきついところのひとつです。
安全への配慮は、現場だけがすればよいものではありません。無理な条件でしか施工できない設計や、安全整備をできないような契約金額など、安全を確保できなくなる要素は数多くあります。会社全体として安全に対する高い意識をもって計画を進めることが大切です。
時間外労働が多い
時間外労働が多いのは、ゼネコンに限らず建設業全体にいえること。しかし、工期の遵守が求められるゼネコンは、特に時間外労働が多いのが実情です。
施工期間中は、製品の決定や、図面作成、施工計画などを常に期限に追われながら進めていきます。方針決定には、建築主やメーカー、各工種の専門業者との打ち合わせが必要であり、そのための資料作成にも時間がかかります。
進捗する工事に間に合うように計画を進めるには、時間外労働をしなければいけないケースも多く、ときには急な対応になることもあります。家庭環境によって対応が難しい場合は、上司や仲間に共有し、お互いに補いあえる体制を整えるようにしましょう。
ただ、建設業にも36協定の時間外労働の上限規制が適用されるため、これまでより残業が少なくなったり、働き方も変わったりしてきます。以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
職場を変えるときの選択肢は?
ここでは、現業を続けるのが難しくなった場合に、職場を変える選択肢をご紹介します。
部署を変える
ゼネコンのよいところは、社内に多くの部署が存在することです。内勤部署には、見積部・調達部・施工計画部・営業部・事務部などがあります。それぞれ違った大変さはありますが、選択肢が多いので自分の適性に合った部署があるかもしれません。
設計部や現場は働き方改革の推進が遅れているケースが多いですが、他の部署ではライフワークバランスの適性化が進んでいる企業もあります。プライベート環境や価値観の変化から職場を変えることを希望する場合は、社内の他部署に異動することがひとつの選択肢でしょう。
転職する
転職するのがもうひとつの方法です。ゼネコンは建設のあらゆる業務を扱うため、その過程で身に付く知識は、他の業種でも需要があります。デベロッパー、不動産、プロジェクトマネージャー、メーカー、企業の施設管理部などが候補に挙げられます。
プロジェクトとの関わり方が業種によって異なるため、それぞれの業種で自分が活躍する姿を想像してみてください。また、テレワークや育休といった働き方の制度も合わせてチェックしてみましょう。
転職するときは“建築士”や“施工管理技士”の資格が役に立ちます。これらは建築に関する最も基本的で説得力のある資格です。活躍の場を広げてくれる資格なので、ぜひ取得を目指してみてください。
尚、施工管理技士の資格についてこちらの記事で詳しく解説しています。
建築士の資格についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
おわりに
ゼネコンがきついと言われる理由と、職場を変える場合の選択肢をご紹介しました。ものづくりを心ゆくまで楽しめる一方で、ものづくり特有のきつい部分があるのがゼネコンの特徴。“きつさ”を上回る“楽しさ”を感じながら働くことができれば、長きにわたって活躍できるでしょう。
この記事を監修した人
株式会社トップリフォームPLUS
取締役
小森 武
保有資格:1級施工管理技士・一級建築士
最後までお読みいただきありがとうございます。
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