1級施工管理技士補は何ができる資格?設けられた背景やメリットの解説&転職先、求人例、年収例も紹介

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令和3年度から、1級施工管理技士補の資格が新たに設けられました。「補」の文字がつかない「1級施工管理技士」とは、どのような違いがあるのでしょうか。また技士補の資格を持つメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

この記事では新たに設けられた1級施工管理技士補を取り上げ、資格の内容や設けられた背景、取得するメリットを解説します。

1級施工管理技士補はどのような資格なのか?

1級施工管理技士補は、1級施工管理技術検定の第一次検定を受験し合格することで取得できる資格です。有資格者になると、監理技術者補佐になれます。

1級施工管理技士との違いは、第二次検定に合格しなくても取得できる点です。1級施工管理技士補の資格を習得すると現場で監理技術者にふさわしい実務経験を積めるため、1級施工管理技士の取得に近づけます。

技士補はなぜ設けられたのか?3つの理由を解説

1級施工管理技士補の資格が設けられた理由は、大きく3つに分かれます。いずれも今の建設業界が直面している課題を反映したものです。それぞれの理由を順に確認していきましょう。

試験を受けやすくして監理技術者の減少を食い止める必要がある

技士補の新設に至った背景の一つに、監理技術者の有資格者の高齢化が挙げられます。国土交通省では一級土木施工管理技士かつ監理技術者資格者証を持つ方の人数について、平成15年から令和2年にかけての推移を下記のようにグラフで示しています。

監理技術者資格者証保有者(1級土木取得者)の現状
参照:技術者制度を取り巻く現状

期間中、全体の人数は大きく変動していません。しかし年齢構成は大きく変わっています。平成18年ごろまでは30代から50代までの有資格者がほぼ均等でしたが、令和2年には40代から60代の方が主体となっており、高齢化が進んでいるのがわかります。60歳未満の有資格者は、平成17年から令和2年の15年間で32%も減少しました。

一方で、試験の仕組みが資格取得のハードルを上げているという課題がありました。令和2年度までの試験は学科試験と実地試験に分かれていたのですが、実地試験に2度不合格になると学科試験から再受験しなければならないため、以後の受験をあきらめる方も少なくありませんでした。実際に国土交通省は平成25年度と26年度の実地試験で不合格になった方について、平成27年度の出願率が63.7%にとどまったことを公表しています。

監理技術者になる意思のある方が、試験の仕組みによって自らその道をあきらめてしまうことは、大変もったいないものです。技士補の新設により試験が受けやすくなり、監理技術者の減少を少しでも食い止めることが期待されます。

キャリアステップを細分化・可視化し、ステップアップを容易にする

技士補制度が設けられる以前において、主任技術者や監理技術者を目指すキャリアステップは以下の2段階しかありませんでした。

  • 無資格の方が2級を取得する
  • 2級の方が1級を取得する

1つ上のステップに進むためには、学科試験と実地試験の両方に合格することが条件です。ステップアップの数が少ないため、成長ややりがいを感じにくいという課題もありました。

技士補制度が設けられた後は、キャリアステップが4段階に増えました。

  • 無資格の方が2級技士補を取得する
  • 2級技士補の方が2級技士を取得する
  • 2級技士の方が1級技士補を取得する
  • 1級技士補の方が1級技士を取得する

1つ上のステップへ進むためには、試験を1つ受験し合格すればよくなったわけです。キャリアステップが細分化・可視化され、より少ない労力でステップアップしやすくなることも、技士補の資格を新設した理由に挙げられます。

若手にも早いうちから責任ある職務を任せる必要がある

監理業務の補佐を担う方について法的な位置づけがなかったことも、従来の制度が抱えていた課題の一つです。一例として学科試験に合格した将来有望な若手がいる場合でも、責任ある立場としての経験を積める環境の提供ができず、スキルアップにつなげにくいことが挙げられます。

技士補が設けられたことにより、第一次検定に合格した方は施工管理技士補の有資格者となり、法的な裏付けをもった監理業務を担えます。責任ある業務を任せることで成長を促し、能力ある従業員を増やすことが可能となるでしょう。

1級施工管理技士補の有資格者となる3つのメリット

1級施工管理技士補の資格を持つことは、3つのメリットをもたらします。それぞれのメリットを確認していきましょう。取得者本人のみならず、会社もメリットを得られることに注目してください。

資格として認められ、ふさわしい職務に就くチャンスが得られる

1級施工管理技士補は、監理技術者を補助する職務「監理技術者補佐」に就ける国家資格です。法的な裏付けがあるため、これまで監理技術者が担っていた職務の一部を任されるようになるでしょう。一人前の監理技術者に成長するうえでふさわしい職務を得られ、実務経験を積むチャンスを得られることは大きなメリットに挙げられます。

第二次検定の準備をじっくり進められる

技士補制度の創設にあわせて、学科試験は第一次検定に、実地試験は第二次検定に改められました。これは単なる名称変更にとどまりません。第一次検定に合格した方は技士補になれるとともに、準備の整った段階で第二次検定を受験できます。

必要な経験を積み、合格への自信がついた段階で第二次検定にチャレンジすればよくなったわけです。じっくり準備を進められることも、受験者にとってうれしいメリットに挙げられます。

監理技術者が現場を掛け持ちできる

建設工事において、監理技術者は現場ごとに別々の有資格者を配置することが原則です。しかし監理技術者補佐を現場ごとに配置できれば、監理技術者は2つの工事現場を兼任することできるようになります。

つまり、技士補制度の創設前と比べて、監理技術者の人数を増やさずとも最大で2倍の工事現場を担当できるようになったわけです。より多くの工事を受注できることは、会社にとってうれしいメリットといえるでしょう。

2級技士補を保有されている方だけでなく、実務経験があってこれから資格取得をしようとしている方も求人企業からは非常に歓迎されます。好条件のポジションは、応募が殺到することがあり、転職エージェントに絞って依頼をして、求人を非公開にしていることがあります。

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1級施工管理技士補の試験内容や受験資格の概要

1級施工管理技士補になるためには、技術検定のうち第一次検定の合格が必要です。技術検定には、以下に挙げる7種類の種目があります。

  • 土木施工管理
  • 建築施工管理
  • 電気工事施工管理
  • 管工事施工管理
  • 造園施工管理
  • 建設機械施工管理
  • 電気通信工事施工管理

ここでは各種目に共通する内容を中心にして、第一次検定の内容および受験資格の概要を解説します。なお「1級建築施工管理技士」の試験内容や受験資格については、以下の記事もご覧ください。

試験(第一次検定)の内容

第一次検定の内容は、以下のとおりです。試験はマークシート方式で実施され、午前・午後に分けて行われます。

科目 内容
専門科目 種目ごとに科目が変わる(土木ならば土木工学等、建設ならば建築学等)

適確な施工管理を行ううえで必要な専門知識、および設計図書に関する一般的な知識

施工管理法 監理技術者補佐にふさわしい、施工管理に関するスキル
法規 施工管理に必要な法令に関する一般的な知識

種目が建設機械の場合、第一次検定は3時間程度で終了します。一方で専門科目は多く、以下の6科目があることに注意してください。

  • 土木工学
  • 建設機械原動機
  • 石油燃料
  • 潤滑剤
  • 建設機械
  • 建設機械施工法

受験資格

受験資格は種目により共通する部分と、そうでない部分があります。いきなり1級の試験を受験する場合の受験資格を、以下の表にまとめました。

最終学歴 受験に必要な実務経験年数
大学
専門学校(高度専門士)
指定学科:3年以上
指定学科以外:4年6カ月以上
短期大学
高等専門学校
専門学校(専門士)
指定学科:5年以上
指定学科以外:7年6カ月以上
高等学校
中等教育学校
専門学校(高度専門士・専門士以外)
指定学科:10年以上
指定学科以外:11年6カ月以上
上記以外 15年以上

学歴に関わらず、実務経験のなかに1年以上の指導監督的実務経験が含まれている必要があることに注意してください。また主任技術者の実務経験をお持ちの場合は、実務経験年数が短縮される場合があります。指定学科については、受験する種目の「受検の手引」をご参照ください。

もう1つの方法として、すでにお持ちの資格を活かし受験する方法があります。2級施工管理技術検定の第二次検定または実地試験に合格した方は、1級の同じ種目に出願可能です。例えば2級土木施工管理技術検定の第二次検定に合格した方は、1級土木施工管理技士の第一次検定に出願できます。

加えて種目ごとに、受験資格として認められている資格があります。一例を以下に挙げました。

種目 資格 受験に必要な実務経験年数
建築 二級建築士 5年以上
電気工事 第一種電気工事士 不要
電気工事 電気主任技術者(第一種、第二種、第三種) 6年以上
造園 1級造園技能検定合格 10年以上
電気通信工事 電気通信主任技術者 6年以上

詳しくは受験する種目の「受検の手引」をご参照ください。
尚、建築士の資格についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

1級施工管理技士補の転職先や求人例、年収例

1級施工管理技士補は、建設会社や工務店で求められる資格です。このほか種目により、以下の業種への転職も見込めます。

種目 転職先の一例
建築 ハウスメーカー
電気工事 電気工事業
造園 造園業

どのような求人があるか、一例を以下に挙げました。年収例も掲載しているので参考にしてください。

業種 募集要項に記された主な項目
建設会社 ・橋梁・道路・河川・下水道に関する補強や改修工事
・1級土木施工管理技士補または2級土木施工管理技士の有資格者
・年収450万円~650万円
プレハブ式建物の製造・販売・リース業 ・プレハブハウスの施工管理業務
・建築施工管理業務の実務経験者(1級建築施工管理技士補などの有資格者歓迎)
・年収500万円~700万円
電気工事業 ・電気設備工事の設計・施工・管理
・第一種普通自動車免許、第2種電気工事士、2級電気工事施工管理技士すべての有資格者(1級電気工事施工管理技士補などの有資格者歓迎)
・年収400万円~1,000万円

おわりに

1級施工管理技士補の資格が創設されたことで、2級から1級へのステップアップがしやすくなりました。技士補の資格を得られれば、監理技術者補佐になる道が開けます。現場で監理技術者としての実務を経験しながらスキルアップを行え、1級施工管理技士を目指しやすくなるでしょう。

若手のうちから責任ある立場に就ければ、より良いキャリアを築くこともできます。制度改正前は「実地試験に合格できなかったからあきらめる」と思っていた方にも、チャンスがあります。受験資格を満たす方は、積極的にチャレンジしてください。

施工管理の仕事内容や求められるスキル等は、下記の記事で詳しく解説しています。

この記事を監修した人

プロフィール写真

株式会社トップリフォームPLUS
取締役
小森 武

保有資格:1級施工管理技士・一級建築士

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