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建設業界でゼネコンに就職したものの、「思っていたよりも仕事がハードで辛い」「業務内容が自分に向いていないと感じる」など、さまざまな理由から転職を考えるかたも少なくありません。
当記事では、そんな転職希望者の悩み・不満をもとに、ゼネコンで培った経験やスキルを生かせる転職の方法や、未経験でもキャリアチェンジしやすい業種・職種の方法についてご紹介していきます。
目次
まずはゼネコンから転職したい理由を整理しよう!
あなたがもし、ゼネコンからの転職を考えている場合、まずは「なぜ」転職したいかの理由を自身で掘り下げてみることが大切です。
実際にゼネコンから転職したいかたに悩みを聞いてみると、ハードな業務内容、タイトなスケジュール、拘束時間など労働環境に関わるものから、年収が少ないことへの不満、将来的な転勤の打診をされているケースなどもあり、十人十色の理由が見えてきます。
上記のような悩みを4つに分けて分類すると…
- 労働環境を改善したい
- 年収を上げたい
- 転勤したくない
- とにかく新しいことに挑戦したい
となります。まずは、ご自身の悩みがどこに分類されるかを明確にしましょう。
以下に、なぜ辞めたいかを明確にしたら取るべき行動や、おすすめの業界などを個別にまとめました。
労働環境を改善したい
まず、労働環境を改善したいケースを掘り下げてみましょう。合わない環境での仕事を続けていると、大きなストレスの元になり、心身を病んでしまうこともあります。
特にゼネコンは勤務時間も長く、肉体的にハードな面も多くある業界として知られています。2019年4月から施行されている「働き方改革関連法案」では、多くの企業の労働時間が改善されましたが、建設業にいたっては「時間外労働の上限規制の適用」が2024年まで猶予されているのも一因となっているようです。
そんな中、少しでもクリーンな労働環境で働きたいという気持ちは健全なものではないでしょうか。
ゼネコンでの経験を生かした転職先としておすすめできるのは、あるジャンルに特化した建築関係の企業です。具体的には、ハウスメーカー(住宅メーカー)や、庭園、公園、屋上等の緑化の工事をする造園工事業などが挙げられます。
年収を上げたい
労働環境や業界の体質は合っているが、年収の低さに不満があり、もっと年収を上げたい!というケースもあります。この場合は、現在より規模の大きいゼネコンやスーパーゼネコンへの転職を検討してみることが第一でしょう。
なぜなら、ゼネコンは他の職種よりも収入が高いケースが多く、サービス業や小売業、卸売業よりも平均年収が上回るため、他の業界・職種への転職を狙うより理にかなっているからです。スーパーゼネコンと呼ばれる大手ゼネコンならば、平均年収800万円程度になるケースも多くみられます。
さらに、一級建築士、建築施工管理技士、建築設備士、1級管工事施工管理技士などといった設計・施工の資格を持っている場合は、資格手当がつくことも一般的ですから、同業種であれば手当を収入に上乗せできるというメリットもあります。
尚、建築士の転職についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
全く違う業界にチャレンジしたい!という気持ちもあるかもしれませんが、年収を期待して別業種へキャリアチェンジした場合は、一般的には収入は下がる傾向があることも充分に考慮すべきでしょう。
転勤したくない
ゼネコンでは、建設プロジェクトによって就業場所が変わることも多く、特に規模の大きい会社では全国転勤があることも珍しくありません。
そのため、直近での転勤の話が持ち上がっていたり、将来的な転勤の可能性を考えたりした結果、転職したいと考える方も少なくありません。
このケースでは、規模は小さくとも地域の役に立つことでやりがいを見出せるメリットもある地元密着型の工務店や建設会社、もしくは、その他の転勤なしの業種への転職がおすすめです。
とにかく新しいことに挑戦したい
転職したい動機が現状への大きな不満から来るものではなく、「新しいことをやりたい」という変化への希望であることも、ひとつの自然な理由ではないでしょうか。ゼネコンで数年のキャリアを積んだ頃に、そのように感じる方も少なくありません。
気持ちのターニングポイントがやってきた折には、他の職種へのキャリアチェンジを検討するのも選択肢のひとつです。別業界や異業種への転職を、次項を参考にして前向きに考えてみましょう。
未経験でもキャリアチェンジしやすい業種・職種
ゼネコンで培われたノウハウや経験がアピールポイントになり、業界未経験でも転職しやすい職種といえば、
- デベロッパー、不動産業界
- インフラ業界
- IT・WEB業界
- 営業職
- 公務員
などがおすすめできます。以下に、それぞれの業界の特徴とゼネコンから転職するメリットをまとめました。
デベロッパー、不動産業界
土地の仕入れや建物の企画・開発、販売・売却までを行うデベロッパーでは、ゼネコンで培ったノウハウや経験を存分に活かすことができます。建築施工管理技士などの資格を有していることで多くの企業で需要が見込まれ、書類選考時にも有利となるでしょう。
インフラ業界
鉄道や航空、高速道路、トンネル、電力、ガスなどといった人々の生活に欠かせない設備を供給するインフラ業界にも、ゼネコンからの転職者が多く存在します。
その理由は、例えば設計・施行のプロとして技術的なサポートを行う「建設コンサルタント」など、必要とされる職能が他業種より近いことが考えられます。
例えば、工事発注者の視点や建設に関する知識など、ゼネコンに勤めた経験のあるかたはインフラ業界でも活躍できる職能をすでに身につけている場合も少なくありません。
インフラ業界を転職先に選ぶなら、採用時に一般企業からエントリーしたライバルよりも一歩リードできるのではないでしょうか。
IT・WEB業界
ゼネコンでマネジメントに携わる業務をしていた方は、WEB関係のディレクターなど、IT・WEB業界への転職でスキルを生かすことができるでしょう。
ピンポイントなところでは、不動産業界のWeb広告や、ホームページの制作ディレクターが良い例です。時期を問わず一定の需要があり、ゼネコンの知識や経験を充分に活かせる分野です。
営業職
現場の作業員や工事の依頼主など、多くの人と関わりのある業務の多いゼネコンでの仕事に従事していた方は、知らず知らずのうちに、物事を円滑に進めるコミュニケーション能力が培われているはずです。
その会話力や調整能力は、ハウスメーカーや住宅設備メーカー、工務店、建築資材メーカー、不動産仲介などでの営業職でも存分に力を発揮することができるでしょう。
公務員
公務員というと省庁の職員や学校の教員などが思い浮かびますが、公共事業に関連する業務も意外に多く存在します。ゼネコンでの経験を活かしたい場合は、建築や土木などの専門知識が必要な技術職が必要な公務員の採用に応募するのが良いでしょう。
安定した収入や福利厚生が魅力的な公務員の座にチャレンジするには、年齢制限や試験に合格することなど、いくつかの低くはないハードルを越えていかねばなりません。しかし、意欲と希望があれば挑戦してみるのもおすすめです。
なかでも、地方公務員を目指すのは良いアイデアです。お住まいの地域で、技術職の中途採用を行っているかどうかを調べてみましょう。
ゼネコンからの転職活動のポイント
前項までを参考に、ゼネコンからの転職活動のポイントを導き出すと、結論として「資格や経験を活かすことができるかどうか」が大きなポイントとなります。
同じゼネコンを転職先に選んだ場合はもちろんのこと、前項で挙げたような異業種であっても、これまでの業務から学んだ知識や経験、取得した資格を活かせることをお伝えしました。
しかし、現実には、晴れて転職し、環境を変えたと思っても「実際に働き始めたら、転職先も以前の職場と同じような厳しい労働環境だった」などといった、予想外の展開も起こり得ます。
そういった悲劇を事前に防ぐには、転職エージェントに希望する企業の情報を入念に教えてもらったり、面接の場で勤務時間や休日などについて具体的に質問したりするなど、入社前に積極的に知識を得ることが必要です。
ゼネコンから転職する場合の平均年収
ここからは「未経験でもキャリアチェンジしやすい業種・職種」で紹介した職種について、転職サービスdoda「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)」のデータをもとに確認します。
職種 | 平均年収額 |
---|---|
施工管理(建設/土木) | 451万円 |
設計(建設/土木) | 456万円 |
不動産企画/プロパティマネジメント | 502万円 |
営業-建設/不動産 | 416万円 |
営業-住宅設備/建材メーカー | 447万円 |
SE/プログラマ | 413万円 |
Webサービスエンジニア | 417万円 |
ゼネコンから他の職種に移った場合、年収は下がってしまう場合も少なくありません。しかし意欲的に仕事に取り組めれば、将来的な年収のアップにつながるでしょう。
ゼネコンから転職する際の求人募集例
「建築転職」で取り扱っている建築系の求人の中から、デベロッパーや営業関連の求人募集の一例をご紹介します。
(※2023年8月時点の求人情報です。募集内容は変わる可能性があります)
総合デベロッパーの業務職の求人
- 仕事内容:志向や経験に合わせて配属が決定
(新規事業、都市開発、用地開発、マンション事業、総務部、人事部) - 応募条件:大学卒業以上
- 完全週休2日制
- 年収4,500,000円 〜
- 未経験者歓迎、能動的に仕事を進められる方を募集
住宅建築事業・エネルギー事業を展開する企業の求人
- 仕事内容:土木施設計画、設計業務
- 応募条件:設計業務経験者
- 完全週休2日制(土日祝休み)
- 年収2,800,000円 〜 5,600,000円
- 未経験から挑戦したい方歓迎
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おわりに
当記事では、転職希望者の悩み・不満をもとに、ゼネコンで培った経験やスキルを生かせる転職の方法や、未経験でもキャリアチェンジしやすい業種・職種の方法についてご紹介しました。
ゼネコンからの転職を希望する皆さんにとって、資格や経験を活かし、より良い環境で活き活きと働く手助けになれば幸いです。
この記事を監修した人

株式会社トップリフォームPLUS
取締役
小森 武
保有資格:1級施工管理技士・一級建築士
最後までお読みいただきありがとうございます。
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