建築士のやりがいとは?苦労の先に得られるもの

建築士のやりがいとは?苦労の先に得られるもの

建築士は、豊かな空間と環境を提供することで社会に貢献する職業です。建築士を志す方のなかには、建築士の仕事をとおして感じられるやりがいや、苦労に直面しても建築士を続けられる魅力は何なのかが気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、建物のものづくりで感じられるやりがいをご紹介します。また、苦労の先にある魅力が何かを説明します。ぜひご覧になってみてください。

建築士のやりがい

ここでは、建築士のやりがいをご紹介します。大スケールなものづくりだからこその達成感がポイントです。

形に残る仕事

建築士のやりがいのひとつは、成果が形に残ることです。建物の寿命は数十年。長い間にわたって利用者の生活を支えていることを見られるので、自分の仕事の意義を強く感じられます。

商業施設などの一般人が利用できる建物に携わると、メディアに取り上げられたり、家族や友人と実際に足を運べたりします。さまざまな評価を受けるなかで、次のモチベーションにつながる達成感を得られるでしょう。なかにはマイナスな評価もありますが、次への反省として前向きに受け取るのが建築士を楽しむコツです。

関係者の喜ぶ姿

関係者が喜ぶ姿を間近で見られることが、ふたつ目のやりがいです。建物の建設には、建築主・プロジェクトマネージャー・設計者・施工者・メーカー・施設利用者など、多くの関係者が携わります。数年にわたる計画・設計・施工の期間をともに乗り越え、竣工の喜びを全員で分かち合います。

関係者全員が喜んでいる姿を見られるときが、自分の仕事が多くの人にとって有意義なものであることを感じられる瞬間です。ものづくりの醍醐味は、こだわり抜いてつくったもので感動してもらうこと。その瞬間に立ち会えるのは、建築士にとっての幸福です。

新規性への挑戦

建物は時代に合わせて進化します。その時代の人の感性や技術の変化に合わせて、デザインや構造・設備システム、工法などが常に新しくなっています。新しいことへの挑戦は、労力がかかりますが、技術者としての価値を高めるには欠かせないことであり、楽しいことです。

たとえば、新しい外装デザインを取り入れることを考えてみましょう。まず、意匠設計者が新規の素材を選定し、光の当たり方によって変わる見え方を検証。あわせて、設備設計者は、その素材の断熱性能に合わせて設備システムを決定します。構造設計者は、その素材の変形追従性などを考慮しながら支持方法を検討する役割です。また、施工者は支持方法を踏まえながら取り付け手順を検討します。

このように、新しいものを取り入れるには多くの専門技術者の協力が不可欠です。その一端を担い、新規性のある建物を建築できることは、大きなやりがいを感じるでしょう。

また、さまざまな困難を乗り越えて新規性を取り入れられると、大きな注目を集められ、優れた技術は水平展開されます。世の中に優れた建物を広められるため、社会に大きく貢献できるでしょう。
尚、建築士の仕事内容や必要な資格についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

パソコンを持って建物を見ている建築士

建築士が得られるもの

建築士は、楽しいことだけではなく、苦しいことも多いです。ここでは、苦しいことに直面してでも続けられる建築士の魅力をご紹介します。

自己実現

建築士を続けられる人の特徴は、“ものづくりや建物が好きであること”や、“チームで何かを成し遂げるのが好きであること”です。つらいことがあっても、竣工時には“ものづくりをやり遂げた”という大きな達成感を得ることができるため、建築士の多くはこの仕事を続けられるのでしょう。

さらに、建築士の仕事は、“形に残る仕事”であり、“喜ばれる仕事”です。これらのことから社会貢献している実感が強く、自己実現の状態が満たされやすいのが特徴。つらいことがあっても、やり遂げた先に幸福を感じられるのが建築士の魅力です。

スキルや資格、社会性が身につく

建築士は高度な専門知識や技術が求められるため、仕事で必要となるスキルや一級建築士などの資格は、転職において有効です。同業だけでなく、企画開発や不動産管理、施設管理などでも需要のある資格なので、転職の必要があるときには心強いでしょう。

また、建築士として働くなかで身につく社会性も生活において役立つものです。社内外の多くの関係者と仕事を進めるため、社会人としてのマナーや、仲間との協力の仕方、社内外に対する思いやりといった社会性が身につきます。

建築士の転職先の例

建築士は、さまざまな職場で資格を活かせます。代表的な転職先を、以下に挙げました。

  • ゼネコンや建設会社、工務店
  • 設計事務所
  • アトリエ
  • ハウスメーカー

設計できる建物は、職場によって大きく異なります。どのような建物づくりに携わりたいか、はっきりさせてから転職先を選ぶとやりがいにつながります。

幅広い職場で資格を活かせることは、建築士の強みです。以下の職場も、検討に含めるとよいでしょう。

  • 官公庁
  • 指定確認検査機関
  • リフォーム業者
  • デベロッパー
  • 不動産売買の業者

これらの職場が合い、やりがいにつながる方も多いのではないでしょうか。どのような仕事を行うか、しっかりチェックしたうえで転職先を選びましょう。

建築士の平均年収

建築士のやりがいを得るためには、年収も重要な要素です。「求人ボックス 給料ナビ」では一級建築士の平均年収額を公表しており、その金額は499万円です。また、二級建築士の平均年収は、一級建築士よりも50万円~60万円低くなっています。

およそ440~500万円という年収額は、高いのでしょうか。国税庁では「令和3年分 民間給与実態統計調査」で、民間で働く方の平均年収額を公表しています。社会人一般の平均年収は443万円ですから、二級建築士は平均と同程度、一級建築士は平均よりも1割以上高い年収が期待できます。努力を重ねれば、高い年収が得られる職業といえるでしょう。

建築士の求人募集例

では最後に、どのような建築士の求人募集があるか見てみましょう。「建築転職」で取り扱っている求人の一例をご紹介します。
(※2023年8月時点の求人情報です。募集内容は変わる可能性があります)

一級建築士の資格取得報奨金制度の求人

  • 仕事内容:住宅の設計・施工管理
  • 資格取得報奨金制度(一級建築士120万円)と試験前休暇あり
  • 週休2日制、年収3,500,000円 〜 7,500,000円
  • 働きながら一級建築士の資格取得を目指したい方におすすめの求人です

尚、施工管理の詳しい業務内容や必要な資格等はこちらの記事をご覧ください。

転勤なし、完全週休2日制、福利厚生充実の求人

  • 学歴不問、設計の実務経験者を募集
  • 初年度から昇格・昇給例あり
  • 年収4,500,000円 〜 5,500,000円
  • 住宅奨励手当、資格手当、学業手当、車両手当等、各種手当てが充実しています

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おわりに

建築士のやりがいや、建築士の仕事をとおして得られるものについて解説しました。多くの人を喜ばせて社会貢献することができ、得られる達成感から自分も幸福になれる仕事です。建築士の大変さが気にかかり、一歩を踏み出せない方の一助となれば幸いです。

この記事を監修した人

プロフィール写真

株式会社トップリフォームPLUS
取締役
小森 武

保有資格:1級施工管理技士・一級建築士

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