建設業界で評価される履歴書の書き方とは。志望動機でまわりと差をつけよう

転職活動において、自分をアピールする最初の舞台が、書類検査です。建設業の書類検査では、履歴書や工事経歴書を求められますが、履歴書を書くときに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、建設業で評価される履歴書の書き方を紹介します。即戦力が求められるキャリア採用では、職歴や資格といった項目が重視される傾向があります。しかし、志望動機で企業に貢献できることを表現できれば、さらにアピール力を高めることが可能です。ぜひ参考になさってください。

建設業で評価される履歴書のポイント

それではさっそく、建設業で評価される履歴書のポイントを3つ紹介します。

  • 仕事にあった経歴・スキル・資格を書く
  • 丁寧な文字で簡潔にわかりやすく書く
  • 説得力のある志望動機、自己PRを書く

特にキャリア採用においては、企業は即戦力を望んでいます。そのため、採用担当者が重視するのは、「仕事にあった職歴・スキル・資格」です。今までの職歴や資格などを参考に、採用するポストに適さない人物をふるいにかけるようです。建設業の仕事においては、建築学科を卒業していることが重要であるケースもあるので、対象学科を卒業している場合は学歴もしっかりとアピールしましょう。

また、建設業に限らず、「丁寧な文字で簡潔にわかりやすく書く」ということも重要です。多くの履歴書に目を通さなければいけない採用担当者が、ストレスなく読み取りスムーズに理解できるように丁寧な文字で文章をまとめましょう。

最後に、「説得力のある志望動機、自己PR」でまわりと差をつけることを意識してみてください。経歴などと比べると採用担当者が書類審査で参考にする優先順位は低いようですが、表現の仕方で自分の意識・意欲の高さを最大限にアピールできる項目です。

今までの経歴や資格は、転職時になってから変えるのは困難です。一方、志望動機や自己PRは、企業の特性と自分の特徴をあわせることで、アピール力を高められます。企業研究を行い、しっかりと取り組みましょう。説得力のある志望動機をつくり込めれば、面接で話題にしてもらえる可能性があります。

履歴書に書く内容

ここでは、履歴書に書く項目について解説します。なお、項目については「厚生労働省履歴書様式例」を参考にしています。

参考:新たな履歴書の様式例の作成について(厚生労働省)

基本項目欄

履歴書の基本項目は、以下のとおりです。これらの基本項目は、内容を工夫するようなものではありませんが、採用担当者がよくみるポイントです。誤字や脱字がないように注意しながら、丁寧に記入しましょう。

氏名・性別

【ポイント】

  • 姓と名の間にスペースをあける
  • ふりがなは、履歴書の表記に合わせる(ふりがな→ひらがな、フリガナ→カタカナ)
  • 性別の記入は「任意」とされているケースがある

現住所及び電話番号

【ポイント】

  • 省略せず、郵便番号・マンション名・部屋番号まで記入する
  • ふりがなは数字以外のすべての文字に対して記入する
  • 性別の記入は「任意」とされているケースがある

連絡先及び電話番号(現住所以外に連絡を希望する場合のみ)

【ポイント】

  • 現住所以外に連絡を希望する場合、連絡先を記入する
  • 現住所で問題なければ「同上」と記入する

顔写真

【ポイント】

  • 履歴書のフォーマットを確認する
  • 身だしなみを整える
  • 好印象な表情を意識する

顔写真は、採用担当者のとって唯一の視覚的な情報であり、第一印象を決める重要な要素です。誠実に仕事に取り組める人物であることをアピールできる写真を用意しましょう。

スタジオインディ」などの就職・転職活動に特化したスタジオでは、履歴書のフォーマットにあわせたキレイな写真を撮るだけでなく、採用担当者に好印象を与える表情のアドバイスなどもしてもらえます。積極的に利用するとよいでしょう。

学歴・職歴欄

学歴は、高校から書くことが一般的です。学校名・学部・学科を正式名称で記入します。アピールできる研究や論文、活動などがある場合は、あわせて記入することも可能です。

職歴は、時系列順に企業名・配属部署・担当職種(施工管理など)を漏れなく記入します。退職に関しては「一身上・会社の都合により退職」と表現し、現職の退職時期が明らかな場合は退職予定日を記入するようにしましょう。

免許・資格欄

免許・資格欄についても時系列順に正式名称で記入するのが基本です。ただし、運転免許に限っては、取得時期に関わらず先に書くのが一般的とされています。免許・点数は「取得」、資格は「合格」、研修・講座は「修了」と表現します。

【例】

  • 令和3年5月 普通自動車第一種運転免許 取得
  • 平成23年3月 一級建築士免許 取得
  • 平成27年7月 TOEIC Listening & Reading Test 935点 取得
  • 平成29年3月 宅地建物取引士試験 合格
  • 平成30年10月 玉掛け技能講習 修了

志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど

冒頭で述べたとおり、履歴書を書く段階からでも内容を充実させられる唯一の項目です。企業は即戦力を望んでいるため、企業が求めている人材をしっかりと理解し、自分が適切な人物であることをアピールします。

まずは企業研究を行い、企業の理念、方針、得意なプロジェクトなどを把握します。その後、自分の職歴やスキルと絡めながら、企業の考え方に共感したこと、自分がどのように貢献できるのかを表現できるとよいでしょう。

本人希望記入欄

本人希望記入欄には、基本的に「貴社の規程に従います」と記入します。応募職種が複数ある場合や選考段階での希望がある場合は「施工管理職を希望致します」「平日は15時以降にご連絡頂けると幸いです」などと記入することも可能です。

原則として、勤務条件や待遇については記入しないようにしましょう。

履歴書の書き方のマナー

最後に、履歴書の書き方に関する基本的なマナーを紹介します。

手書きとパソコンの使い分け

建設業では、指定がない限り、手書き・パソコンのいずれによっても履歴書を作成することができます。それぞれの特徴を理解し、手書きとパソコンを使い分けましょう。

【手書きの特徴】

  • 人柄や丁寧さを伝えやすい
  • 個性を出しやすい
  • 手間がかかる

【パソコンの特徴】

  • 複数社への応募でも手間が少ない
  • 字体を整えやすい
  • 個性を伝えにくい

筆記具・修正

手書きで書く場合は、黒のボールペンや万年筆を使用します。消えるボールペンは使わないようにしましょう。また、誤字や脱字をしてしまった場合は、面倒でも一から書き直すのが基本です。改ざんなどがないことを明らかにするだけでなく、書き直しを面倒に感じてしまっていることを採用担当者に伝えないためです。場合によっては、鉛筆で薄く下書きして最後に消すなど、工夫するとよいでしょう。

相手の企業は「貴社」と表現

相手の企業を表現する言葉には、「貴社」と「御社」の2つがあります。文章(履歴書やメール)では「貴社」、会話(面接や電話)では「御社」というように使い分けましょう。

「きしゃ」という言葉は、他にも「記者」「帰社」「汽車」などがあり、話し言葉としてはわかりづらいため、「御社」という言葉を使うのが一般的になったという経緯があります。

郵送のルール

履歴書を郵送する場合、郵便局の窓口から送付します。履歴書は郵便以外での送付が禁止されている書類であるほか、切手代が不足したままポストに投函したことにより企業が不足金額の請求を受けないようにするためです。

関係書類は、クリアファイルでまとめて封筒に入れます。添え状、履歴書、工事経歴書、その他の書類の順番に重ね、採用担当者が応募書類を明確に認識できるようにしましょう。

おわりに

転職活動において、書類検査は最初の関門です。効果的な履歴書や工事経歴書を用意し、自分のよさをアピールしましょう。書類検査においては、職歴や資格が重視される傾向がありますが、志望動機や自己PRをつくり込むことで、アピール力を高められるだけでなく、面接の受け答えをしやすくなります。企業研究も含めてしっかりと取り組みましょう。

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この記事を監修した人

プロフィール写真

株式会社トップリフォームPLUS
取締役
小森 武

保有資格:1級施工管理技士・一級建築士

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