建築業界のインターンはある？他業界と迷っている人におすすめの長期インターン求人サイトも紹介

「建設業界に興味はあるけど、自分に合っているか不安」「ほかの業界も気になる」、そんな思いを抱えている建築学生は少なくありません。働き始めてから後悔しないため、就職活動を始める前に業界・企業の理解を深めて明確なビジョンを思い描きながら進めたいところですよね。

そこでおすすめなのが「インターンシップ制度」です。2023年度に制度の定義が変更され、より学生に寄り添ったシステムになっています。本記事では4タイプに分けられたインターシップ制度の概要のほか、目的や大手企業の取り組み例をご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

2023年度から新しくなったインターンシップ制度

インターンシップ制度は、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと（文部科学省）*1」とされています。しかし、企業が採用活動の一部としてインターシップ制度を活用している側面もあり、学業や就職活動に影響を及ぼしているという懸念から2023年度にはインターンシップの定義が変更されました。これにより、インターンシップ制度は以下の4タイプに分けられています。

インターンシップのタイプおよび目的

【インターンシップのタイプ】		【目的】
*1	タイプ1：オープン・カンパニー	・企業・業界の情報提供 ・企業・業界のプロモーション
	タイプ2：キャリア教育	・学生の教育
*2	タイプ3：汎用的能力・専門活用型 インターンシップ	・就業体験 ・自らの能力の見極め ・評価材料の取得
	タイプ4：高度専門型 インターンシップ*3	・就業体験 ・実践力の向上 ・評価材料の取得

*1：「インターンシップ」と称さない
*2：「インターンシップ」と称して実施
*3：試行中

参考：文部科学省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」*2

タイプ1・2は、企業が実施する企業・業界紹介や、大学が主導する授業・産学協働プログラムなどが想定されています。タイプ1の就業体験は「なし」、タイプ2の就業体験は「任意」となっているので、インターンというよりも説明会のイメージの方が近いかもしれません。

タイプ3・4は就業体験が必須の専門性を重視したプログラムです。数日～2週間程度の期間で実施されるケースが多いので、インターンシップの目的を果たすのに十分な経験を得られるでしょう。

インターンシップの目的

インターンシップは単なる就職活動の一環ではなく、学生自身が将来を見据え、自分にぴったりの進路を見極める貴重な機会です。目的を明確にして参加することで、得られる経験の質は大きく変わるでしょう。

業界・会社・社員・仕事を知りたい

インターンシップの大きな目的のひとつは、自分の専門を活かせる分野の業界・会社・社員・仕事を知ること。これらの最新かつ詳細な情報は、教科書やインターネットで入手するのが難しく、実際に見たり聞いたりするのが重要です。インターンシップの就業体験では、先輩社員の指導を受けながら実務に近い経験することができるので、自分の将来を決める重要な評価材料になることでしょう。

自分の適性を見極めたい

「建築の仕事に興味はあるけど、自分に向いているかはわからない」といった悩みを抱えている建築学生は少なくありません。「自分のセンスで優れた建築を生み出せるのか」「多忙なスケジュールをこなせるのか」「建設業界の先輩・上司とうまく付き合えるのか」など、学生の不安はさまざまです。

自分がその業界や企業で活躍できるかを知るには、インターンシップ制度は非常によい機会です。就業体験をとおして、自分の能力や性格がその仕事に合っているかを見極めましょう。

自己分析を深めたい

インターンシップ制度のなかで自己分析を深めたいと考えている学生もいます。働く現場に身を置くことで、学校では気づかなかった価値観や得意分野が見つかることもあるでしょう。自己分析を深めることができれば志望動機や将来像が明確になり、就職活動で説得力のあるアピールができるようになります。

選考に向けたアピールをしたい

インターンシップ制度は採用活動の場ではないとされていますが、企業としては学生の能力や個性を知るよい機会です。インターンシップの成果は選考に反映されない可能性も高いですが、好印象を与えることができればチャンスが広がるかもしれません。服装や挨拶から丁寧な振る舞いを心がけ、「この学生と一緒に働きたい」と思ってもらうことが大切です。

大手企業のインターンシップ

ここでは、大手企業のインターンシップをご紹介します。年度によって開催時期や内容が異なる可能性がありますので、応募の際は必ず最新情報をチェックしましょう。

ゼネコン

【竹中工務店】設計長期インターンシップ
日程：8～9月
プログラム：

• 企業概要・設計職についての説明
• 設計就業模擬体験
• 設計部先輩社員座談会

【大林組】5dayインターンシップ（建築施工）
日程：7～9月
プログラム：

• 座談会
• 現場訪問
• 現場実習

組織設計事務所

【日本設計】NIHON SEKKEI INTERNSHIP 2025
日程：8月
プログラム：

• 領域ごとに実施するメインプログラム（課題演習やディスカッションなど）
• 全領域合同のサブプログラム（実務ワークフロー紹介など）

【梓設計】インターンシップ2025
日程：7～9月
プログラム：

• 設計や提案実務のチームに加わり、実際の業務作業に触れることで設計プロジェクトの検討の進め⽅やまとめ⽅を体験する。
• 年齢の近い若⼿社員を担当に配置し、話しやすい環境で⾝近なサポートや職務内容への疑問に応える。
• 総合組織設計事務所での職場経験において、当社取組みのオフィスや、全部署フリーアドレスでのコミュニケーションや新たな働く環境を体感する。

ハウスメーカー

【大和ハウス】ツギマチLAB　営業職コース
日程：エントリー後、マイページから確認
プログラム：事業部別のプログラム

• 住宅営業職
• 集合住宅営業職
• 流通店舗営業職
• 建築営業職
• 環境エネルギー営業職

【一条工務店】住宅設計&施工体感コース
日程：7～8月
プログラム：

• 住宅設計体感ワーク
• 設計社員との座談会
• 工事監督による建築現場案内
• 一条ハウジングテクノロジーセンター見学

デベロッパー

【三井不動産】Summer College～デベロッパービジネスの進化～　街づくりコース
日程：8～9月
プログラム： 日本橋EASTの未来を創造する

• 日本橋再生計画、不動産開発の進め方についてのレクチャー
• 日本橋EASTエリアにおける、当社の開発をモデルにしたワーク

インターンシップを探す方法

建築業界のインターンシップの情報は、以下のようなサイトなどから入手することができます。就活準備サイトなどには早めに登録しておき、適切なタイミングで情報を受け取れるようにしておきましょう。

• 就活準備サイト
• インターン求人サイト
• 企業のホームページ
• 学校のキャリアセンター
• 学校の授業の一環

おすすめの長期インターン求人サイト

インターンには、上記で解説した就職活動の時期に開催される制度のほかに、3ヶ月以上の期間をかけて仕事をサポートしながら実務を経験する長期インターンがあります。長い期間を掛けて実情を見ることができるので、業界や企業についてじっくり知りたいと考えている方におすすめ。ここでご紹介する長期インターン求人サイトなどを利用してぴったりのインターン先を探してみてください。

UT-Board

UT-Boardは、東大・京大・早稲田・慶應など一流大学の学生向けに特化した長期インターン求人サイトです。週2-3日から参加できるハイクラスな長期インターンを多数掲載しており、エンジニア、コンサルティング、マーケティングなど様々な職種の求人を取り扱っています。

戦略コンサルや外資系金融機関などのトップ企業への内定者を多数輩出した実績があり、多くの利用者がゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー、BCGなど名だたる企業に就職しています。長期インターンを通じて実践的なビジネス経験を積むことで、就活での強力なエピソードが得られ、キャリア形成に大きく役立つでしょう。

公式サイト：UT-Board

エイドインターン

エイドインターンは、長期インターンシップをとおして学生の強みの発見と未来設計をサポートする求人プラットフォームです。週1日から参加可能な多様な長期インターン求人を掲載し、実務経験を通じて自己分析や活躍の場を探す環境を提供しています。

VTuber業界、マーケティング、営業といった幅広い職種から、自分の興味に合った業界で実践的なスキルを身につけられるのが魅力です。約1年間の期間が自己理解と職業適性の発見に最適とし、特に大学1年生からの早期参加を推奨しています。

公式サイト：エイドインターン

U-inTern（ユーインターン）

U-inTernは、大学生向けの長期インターンシップ求人プラットフォームです。早稲田、慶應、明治、東大など、大学別・キャンパス付近の求人情報が充実しており、学生が自分の通学環境に合わせた長期インターン先を見つけられます。

職種別（エンジニア、コンサルティング、マーケティングなど）や特徴別（週3日以下OK、リモート勤務可など）での検索も可能で、時給1,500円以上の高待遇案件も多数掲載。また、長期インターンに関する記事や体験談も提供しており、学生のキャリア形成をトータルでサポートしています。

公式サイト：U-inTern

おわりに

インターンシップ制度は、建設業界の魅力を体感できる貴重な機会です。業界・企業・社員を知り、自己分析を深めながら自分の適性を見極めることが大切です。将来の進路に迷っている方も、インターンシップをとおして未来が見えてくるかもしれません。今回ご紹介した求人サイトなども活用しながら、将来への第一歩を踏み出しましょう。