文系でも施工管理の仕事はできる?活躍するために身につけたいスキルを紹介

建築は歴史や文学との関係が強く、文系出身で社会人になってから建設業に興味を持つ方もいます。そのようなときに心配になるのが、文系でも施工管理の仕事はできるのか?という点です。

この記事では、文系の方に向いている・向いていない施工管理の仕事内容について解説し、文系施工管理者の可能性に触れていきます。

何かを始めるのに遅すぎるということはありません。施工管理の仕事のために身に付けるべき能力を合わせて紹介するので、夢の実現のために努力を重ねましょう。

施工管理で文系に向いている・向いていない仕事内容

ここでは、文系に向いている・向いていないという観点から、施工管理の仕事内容について解説します。

文系に向いている仕事内容

もちろん個人差はありますが、一般に文系の方が秀でている点といえば、コミュニケーション能力や枠にとらわれない柔軟な考え方ではないでしょうか。

施工管理の仕事は、人とのコミュニケーションが大切です。
ここでいう”人”とは、施工管理の仲間だけではなく、建築主・設計者・下請業者・メーカー・役所など、さまざまな立場の人を指します。
立場によって主張・要求・ルールが異なり、お互いが納得できる妥協点を見つけられるように、できればお互いにメリットが生まれるように調整しなければいけません。

このような調整作業では、文系の長所であるコミュニケーション能力が役に立つことでしょう。
また、さまざまな考え方を取り入れながら真実に迫る文系の柔軟な考え方は、各関係者の意見を尊重して進めなければいけない調整作業に向いているといえます。

文系でも問題ない仕事内容

施工管理の主な仕事は、工程・原価・品質・安全を守る4大管理です。そのうち、工程管理と原価管理は文系・理系で向き不向きはないといえます。

工程管理は、施工計画に基づいて工程表を作成し、順調に進捗するように管理する仕事です。いわばスケジュール管理であり、文系でも問題なくこなせます。

工程管理の難しい点は、現場の付き物であるイレギュラーに対して臨機応変に対応しなければいけないことです。経験したことのない問題が発生したときは、関係する職人を集めてみんなで解決策を模索することになります。ここでもコミュニケーション・調整能力が役に立つでしょう。

原価管理は、予算内で工事を完了させるためのお金の管理業務です。建設プロジェクトでは、設計完了時に契約金額を決めて着工するものの、着工後に多くの変更が生じるのが一般的。その都度、変更による工事費の増減を管理し、着工時に想定した利益を確保しなければいけません。

場合によっては変更に必要なお金を建築主から獲得するため、資料を用意して説明することになります。お金の交渉はシビアなものになりがちですが、良好な関係を保てるように気配りをしながら進めるのが重要です。

ポイントは、建築に詳しくない建築主にわかりやすく説明すること。文系から建築業界に飛び込んだときの気持ちを思い出し、専門知識がなくても理解しやすい表現を心がけてみてください。

文系に向いていない(理系の知識が必要な)仕事内容

最後に、理系の知識が必要であり、文系の方には取っ付きにくいであろう仕事内容を紹介します。それは、前述の4大管理のうち、品質管理と安全管理です。

品質管理は、設計図書や仕様書に記載されている品質を確保するために、さまざまな検査や試験などを行う仕事。
例えば、鉄筋が正しく設置されていることを確認する「配筋検査」、鉄骨が正しく製作されていることを確認する「鉄骨製品検査」、屋上の防水性能を満たしていることを確認する「水張り試験」などです。
各種基準や、材料の特性、工法の要領など、技術的な専門知識と物理・化学の一般知識が求められます。理系の一般教養があった方がこれらの理解をしやすいため、文系の方は苦労するかもしれません。

安全管理は、安全保護具・設備の整備を徹底することや、事故が起こらない施工計画を行うこと。安全管理で重要なのは、物理原則を正しく理解し、危険を察知することです。

海外のある橋梁建設時の崩落事故は、施工手順の計画ミスが原因でした。設計図書のとおりに施工すれば完成時の安全性は担保されるはずですが、施工中の安全性については検討されていません。

施工管理者が建設途中の状態での安全性の検討を行わず、不安定な状態で施工を進めたために事故が起きてしまいました。計画段階で危険を察知し、施工時の計算を構造設計者に依頼するなどすれば回避できたことでしょう。

このようなことが起こらないように、施工管理者は物理の知識や感覚を大切にし、適切な施工計画を行う必要があります。

以上をまとめると、文系の方が身に付けるべき能力は、専門技術や知識、理系の一般知識、物理感覚ということになります。これらは実務をこなしながら学んでいけば身に付くものです。分からないことをしっかりと学ぶ熱意があれば、文系でも施工管理者になれるといえるでしょう。

詳細な仕事内容は転職エージェントに聞いてみましょう

企業によっては、施工管理に必要な能力を身に付けられる講習や研修を行っています。文系から施工管理の世界に飛び込むことに不安を感じる方は、これらの制度を設けている会社を選ぶとよいかもしれません。

転職エージェントは施工管理の仕事や会社に精通している転職のエキスパートです。詳細な仕事内容や、会社ごとの制度については転職エージェントに聞いてみるとよいでしょう。

興味がある方は、ぜひ「建築転職」にご相談ください。

施工管理技士の転職については、以下の記事でも解説しています。

おわりに

施工管理の仕事は、一部、文系の方に向いていない仕事内容があるものの、できないわけではありません。施工管理に必要な能力は今からでも身に付けることができるからです。

熱意があれば、文系でも施工管理者として活躍することができます。キャリアについて不安のある方、建築業界専門のエージェントに相談してみたい方は、お気軽に「建築転職」に無料登録してみてください。

この記事を監修した人

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株式会社トップリフォームPLUS
取締役
小森 武

保有資格:1級施工管理技士・一級建築士

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