宅建士の仕事内容とは。建築士とは何が違う?両資格の親和性についても解説

人気国家資格のひとつに「宅建士」があります。宅建士と同様に建物を扱う資格が「建築士」です。

宅建士と建築士はどのように異なるのでしょうか。この記事では、宅建士の役割を紹介しながら、両者の違いを解説します。

不動産関連の仕事に携わりたいと考えている方は、ぜひご覧になってみてください。

宅建士とは

ここでは宅建士の役割について解説します。建築士との違いもみていきましょう。

宅建士は不動産取引をサポートする仕事

宅建士とは、「宅地建物取引士」の略称です。この名称からわかるとおり、土地や建物の取引きをサポートするのが、宅建士の主な役割です。
なかでも、不動産の契約前に買主に対して行う「重要事項説明」は、宅建士の重要な業務のひとつ。そのため、建築や土地、インフラ、関連する法基準、契約に関する専門知識が求められます。

宅建士は契約や法律に関する仕事が多いため、正確に手順を進められる几帳面さが必要です。また、不動産に詳しくないクライアントに専門的な内容をわかりやすく説明するスキルを磨けるとよいでしょう。

国家資格「宅地建物取引士」について

宅建士は、毎年20万人程度が受験する人気の国家資格です。その理由のひとつは、受験のハードルが低いことでしょう。学歴などの受験資格要件がないため、誰でも挑戦することができます。

合格に必要とされている平均勉強時間は400時間程度です。最新の参考書や問題集の発売が例年12月~1月、試験が10月であることを考えると、1日1.5時間程度の勉強が必要ということになります。

(1.5時間×30日×9カ月=405時間)

勉強をルーティーン化できれば無理なく取得できる範囲といえるのではないでしょうか。受験するハードルの低さ、比較的少ない必要勉強時間、取得後の活躍のフィールドの広さが、宅建士の人気を支えています。

建物の設計・監理を行う「建築士」とは異なる

宅建士と同じく建物を扱う資格に、「建築士」があります。建築士は、建築の設計・監理を行うのが主な役割です。簡単に表現すれば、建築士が建物をつくり、宅建士が建物を売るということになります。

建築士は、厳しい受験資格要件が特徴です。特に、大学の建築学科を卒業していない方は、受験するために7年以上の実務経験を積まなければいけません。
尚、建築士の仕事内容や必要な資格についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

宅建士と建築士の親和性

宅建士と建築士の違いを紹介したところで、2つの資格の親和性について解説します。
ダブルライセンスのメリットをみていきましょう。

宅建士が建築士を取得するメリット

宅建士が建築士を取得するメリットは、建築に関する知識が深まることです。建築の深い知識は、不動産に詳しくないクライアントに物件を紹介するときに役に立つでしょう。

しかし、やはり建築士試験の受験資格が高いハードルになります。建築学科を卒業している、建築の実務を経験したことがあるという方でなければ、受験資格を得るのは難しいでしょう。

また、一級建築士で1000時間、二級建築士で700時間の勉強が必要とされています。取得の難易度が高いことを考えると、あまりおすすめできるとはいえないかもしれません。

宅建士と親和性の高い資格

宅建士が建築士を取得するのは難しいことを述べました。そこで、宅建士と親和性の高い資格を紹介します。

・不動産のプロを目指す
マンション管理士、管理業務主任者

・法律のプロを目指す
司法書士、行政書士

・お金のプロを目指す
ファイナンシャルプランナー

宅建士を取得した後にどのようなフィールドで活躍したいのかをイメージしながら資格取得の計画を立てましょう。

建築士が宅建士を取得するメリット

建築士が宅建士を取得すると、自分が設計した建物を売れるようになります。個人の設計事務所を経営する設計者のなかには、宅建士を取得して宅建業を兼業している方もいます。

また、近年の建築業界では、大手デベロッパーによる大規模再開発が増加傾向です。そのため、大手デベロッパーは建築・不動産の両方に関する深い知識を持ったプロフェッショナルを求めています。建築士が宅建士を取得することで、大手デベロッパーが求める人物像に近づくことができるでしょう。

建築士が宅建士を取得するのは、活躍するフィールドによっては大きなメリットがあるといえます。

宅建士が活躍できるフィールドは転職エージェントに聞いてみよう

宅建士は、活躍できるフィールドが広いのがメリットです。前述のとおり、他の資格と組み合わせることで、さらに需要の高い宅建士になれるでしょう。

宅建士の活躍の場について詳しいのは、実情に精通している不動産業界専門の転職エージェントです。宅建士を取得したら何ができるのか、話を聞いてみるのもおすすめです。

宅建士の資格取得や資格を有利に活かせる転職に興味がある方は、ぜひ「建築転職」にご相談ください。

おわりに

宅建士はさまざまな働き方で活躍できる人気の国家資格です。受験資格要件がなく、誰でも試験を受けることができます。勉強時間はそれなりに必要ですが、不動産に携わる仕事を検討している方は積極的に挑戦するとよいでしょう。

宅建士を取得することで実現する働き方が気になる方は、ぜひ「建築転職」にご相談ください。

この記事を監修した人

プロフィール写真

株式会社トップリフォームPLUS
取締役
小森 武

保有資格:1級施工管理技士・一級建築士

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