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資格 二級建築士の資格とは?一級建築士との違い、資格を活かせる転職先、平均年収を紹介

二級建築士の資格とは?一級建築士との違い、資格を活かせる転職先、平均年収を紹介

二級建築士の資格とは?一級建築士との違い、資格を活かせる転職先、平均年収を紹介

二級建築士という資格を耳にした方は、多いことでしょう。一級建築士とどのような違いがあるのでしょうか。また、
「二級建築士は実務経験なしで受験できる」という情報もありますが、本当のところはどうなのでしょうか。

この記事では二級建築士がどのような資格か、試験内容や合格後にできる業務も含めて詳しく解説します。また資格を活かせる転職先や平均年収も紹介します。二級建築士を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

二級建築士の資格とは?

二級建築士は、比較的小規模な建物を設計し工事監理を行える資格です。代表的な建物の例を、以下に挙げました。

  • 戸建ての住宅
  • 小規模の集合住宅
  • 小規模の事業所

木造建築士と異なり、コンクリート造の建物や3階建ての建物も設計できることは強みの一つに挙げられます。

試験は年1回実施されます。合格者は所定の手続きを取ることで、二級建築士になれます。

二級建築士と一級建築士の違い

一級建築士は、二級建築士の上位資格です。このため「一級建築士ならば設計できるが、二級建築士では行えない業務がいくつかあります。一例を以下に挙げました。

  • 延床面積が1,000平方メートルを超える、2階建て以上の建物
  • 高さが13mを超える建物
  • 延床面積が300平方メートルを超える、コンクリート造の建物

このことから、二級建築士が設計する建物は小規模の事業所や集合住宅、戸建ての住宅などが主体となります。

一級建築士と木造建築士の資格内容や受験資格については、それぞれの記事で詳しく解説いています。

二級建築士になるには?

二級建築士の受験要件は、資格、学歴、実務経験の3種類に分かれます。受験と資格を取れる要件はなにか、詳しく確認していきましょう。

  • 建築設備士の資格がある方は、試験の合格で二級建築士になれる
  • 建築設備士の資格をお持ちの方は、二級建築士試験の合格により資格を申請でき、二級建築士になれる

学歴による取得を目指す方

大学や短大、専門学校、高校などで建築を学んだ方は、試験の合格と実務経験を積むことにより二級建築士になれます。試験は実務経験なしで受験できるケースが多いですが、以下の方は実務経験がないと出願が認められません。

  • 学歴が高卒かつ建築を学んだ方で、建築の単位数が15単位以上20単位未満の方
  • 学歴が中卒の方(修業年限3年以上の職業訓練校に通っていた方は除く)

試験の合格者は建築の単位数や在籍していた課程に応じて、卒業後1年から4年の実務経験が必要です。ただし以下のいずれかに該当する方は、実務経験がなくても二級建築士になれます。

入学した年 実務経験が免除される要件
平成20年度以前 大学や短大、高専の建築課程を卒業
平成21年度以降 大学や短大、高専等で建築の単位を40単位以上修得し卒業する

高卒で建築の専門学校(修業2年以上)に入り、40単位以上修得して卒業する

実務経験での受験は7年以上必要

以下の要件にあてはまる業務に7年以上就いていた方は二級建築士試験を受験でき、合格者は二級建築士になれます。

  • 設計図書・施工図等の図書と密接に関わりをもちつつ、建築物全体を取りまとめる、建築関係法規の整合を確認する又は建築物を調査・評価するような業務

引用:公益財団法人 建築技術教育普及センター「令和4年 二級建築士試験 木造建築士試験 受験要領」

建物の設計業務だけでなく、以下の業務も実務経験に含まれます。

  • 解体工事の設計
  • 耐震診断
  • 施工管理
  • 建築行政
  • 建築に関する研究開発
    (第三者による審査を受け、公表されるものに限る)
  • インターンシップ

実務経験で受験する場合は、7年以上の実務経験がないと出願自体が認められないことにも注意が必要です。詳しい条件は、「二級建築士試験 木造建築士試験 受験要領」をご参照ください。

二級建築士の資格を活かせる転職先

二級建築士の転職先は、設計事務所やハウスメーカーなどが代表的です。住宅や小規模な建物に限定される二級建築士でも、実力を十分に発揮できる職場といえるでしょう。

加えて、以下の職場でも資格を活かせます。

  • 建設会社や工務店
  • 不動産を扱う企業

このように二級建築士の職場は、住宅や小規模な建物ばかりではありません。希望すればさまざまな建物の仕事に携わることができます。経験を積むことで、一級建築士など上位資格への足掛かりとすることも可能です。

二級建築士の試験内容

二級建築士の試験は学科と設計製図に分かれており、両方の試験に合格しなければなりません。それぞれの試験内容を確認していきましょう。

学科試験

学科試験は五肢択一式で、以下の4科目に分かれて出題されます。

  • 学科Ⅰ(建築計画)
  • 学科Ⅱ(建築法規)
  • 学科Ⅲ(建築構造)
  • 学科Ⅳ(建築施工)

出題数は25問ずつで、合計100問が出題されます。また、試験時間は建築計画と建築法規で3時間、建築構造と建築施工で3時間となっています。

設計製図の試験

提示された設計条件に従い、以下の要求図書を作成する試験です。試験時間は5時間と、長時間にわたります。

  • 階数ぶんの平面図(配置図を含む場合もある)
  • 立面図
  • 面積表
  • 計画の要点等

要件によっては、以下の作成も求められる場合があります。

  • 伏図
  • 断面図
  • 部分詳細図
  • 矩形図

二級建築士では、住宅が課題として出題されるケースが多いです。ただし木造建築士と異なり、以下の建築課題もよく出題されています。

  • 鉄筋コンクリートの建物に関する課題
  • 事業所兼住宅など、小規模事業所に関する課題

木造建築士と異なり、出題される建物は決まっていません。上記の課題が出題されても対応できるよう、しっかり準備をしておきましょう。

二級建築士の取得難易度

二級建築士の合格は、簡単ではありません。平成29年から令和3年までの合格率を、以下に挙げました。

総合 学科試験 設計製図の試験
令和3年 23.6% 41.9% 48.6%
令和2年 26.4% 41.4% 53.1%
令和元年 22.2% 42.0% 46.3%
平成30年 25.5% 37.7% 54.9%
平成29年 24.3% 36.6% 53.2%

出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「試験結果 過去5年間の二級建築士試験結果データ」

学科試験、設計製図の試験とも、個別に見ると4割から5割の合格率です。一見して合格しやすいように見えますが、両方合格できる方は4人に1人程度しかありません。

そもそも二級建築士には、受験資格があります。建築に関するある程度の知識または経験がないと受験できません。甘く見ず、しっかり対策を行うことが重要です。

二級建築士

二級建築士の平均年収

求人ボックスによると、二級建築士の平均月収は37万4,000円です。ボーナスも踏まえて考えると、平均年収は520万円~560万円前後となります。

一方で該当者が最も多い「ボリュームゾーン」は平均値よりも低く、32万円前後となっています。年収400万円前後にとどまる二級建築士の方も、多いのではないでしょうか。

一級建築士との年収差

求人ボックスが調査した一級建築士の月給は平均で40万4,000円であり、ボリュームゾーンもほぼ同じ額です。二級建築士のボリュームゾーンと比較すると、月8万円の差があります。ボーナスも加味した年収の差は、110万円~120万円にものぼる可能性があることは見逃せません。

二級建築士に関するよくある質問

ここからは、二級建築士の試験や資格に関する代表的な質問を4つ取り上げます。試験対策やキャリアパス作成の参考にしてください。

二級建築士を取得するメリットは?

二級建築士を取得する代表的なメリットには、以下の3点が挙げられます。

  • 住宅にもコンクリート造の建物にも携わることが可能
  • 一級建築士への足掛かりとなる
  • 大学などで建築の課程を学んだ方は、実務経験なしで取得可能

専門教育を受けた方は、卒業後すぐに建築士として活動することも可能です。これは一級建築士にないメリットといえるでしょう。一方でコンクリート造の建物も設計できることは、木造建築士にないメリットです。専門家として認められつつ、さらに上の一級建築士を目指せることも魅力の一つです。

二級建築士を取得するのに何年かかる?

実務経験だけで取得する場合は、少なくとも8年は必要となるでしょう。一方で以下の要件を両方満たした方は、卒業した時点で二級建築士になれます。

  • 大学や短大、高等専門学校で建築を学び、40単位以上修得した方
  • 二級建築士試験に合格した方

たとえば、大学で建築を学んでいる方は在学中の4年間で試験に合格し、卒業後速やかに二級建築士の資格を得ることも可能です。

二級建築士は独学でも取得できる?

独学で二級建築士を取れるかどうかは、ケースバイケースです。以下の条件が揃えられれば、独学を選んでもよいでしょう。

  • 「合格したい」という強い意志がある
  • 自己管理ができる
  • 設計製図の試験について、アドバイスを受けられる方が近くにいる

とりわけ職場や学校に通う方など、自分で気づかない誤りを正す存在がいることは独学を選ぶ重要なポイントに挙げられます。

二級建築士を目指す方のなかには、職場に設計製図に詳しい方がいない場合もあるでしょう。自己流で学習を進めると、いつまでたっても合格できない状況に陥りかねません。このような方は通信講座や資格の学校に通い、プロのアドバイスを受けることが合格への近道です。

二級建築士と宅建はどちらが難しい?

宅建の合格率は、例年15%~17%で推移しています。合格率だけを見ると、宅建よりも二級建築士のほうが難しく見えます。しかし宅建は、受験資格がありません。このため一定以上の水準にある方ばかりが受験する二級建築士のほうが、難しい試験と考えられます。

もっとも、二級建築士と宅建のどちらが難しく感じるかは、人によるともいえるでしょう。そもそも二級建築士は建築の設計や工事監理といった、技術的な分野の試験です。

一方で宅建は土地や建物の売買に必要なスキルを試すことから、営業的な要素を含む試験となっています。法令に関する出題も多いため、技術者の皆さまにとっては宅建のほうが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

おわりに

二級建築士は建築士としての一歩を踏み出せる、重要な資格です。建築を専門に学んだ方ならば実務経験なしで資格を取れることは、大きな魅力といえるでしょう。

二級建築士になった後は努力や実績を重ねることにより、ご自身の評価を上げることが可能です。一級建築士など、上位資格も目指せることでしょう。

このため、資格を取ったからといって満足してはいけません。キャリアと収入を上げ、現役で活躍し続けるためにも、よい仕事を続けましょう。その意味で二級建築士の資格を活かすには、取得した後の取り組みが重要です。

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