構造設計は「やめとけ」と言われる理由は?仕事内容の実態と魅力、向いている人の特徴を紹介

「構造設計はやめとけ」という声を耳にして、不安を感じることはありませんか。構造設計の仕事には厳しい面がある一方で、年収の高さやものづくりの達成感といった魅力があります。
そこで今回は、構造設計が「やめとけ」と言われる理由や仕事内容の実態、向いている人の特徴まで紹介します。キャリアを冷静に判断するための材料として、ぜひ参考にしてください。
目次
構造設計はやめとけと言われる理由
構造設計が「やめとけ」と言われる背景には、業務特有の厳しさがあります。ここでは、代表的な理由を3つ紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
意匠や設備との調整が難しい
マンションや商業施設の建築では、構造設計だけでなく意匠設計や設備設計など複数の設計担当が関わるため、設計段階で意見が衝突する場面は珍しくありません。
構造設計はまず建築物の安全性を優先し、意匠設計はデザインや使い勝手を、設備設計は機器や設備の配管ルートや配置に着目しています。
他部署から「柱を減らしたい」「機械室の配置を変えたい」という要望が出れば、再計算が必要になります。設計が変更されるたびに、安全性の検証をやり直す必要があるため、調整を重ねていくことに負担を覚える人もいるでしょう。
責任の重さに対して評価されにくい
構造設計は、建物の安全性を支える重要な仕事で、設計ミスがあれば建物の倒壊や人命に関わる重大な事故につながるおそれがあります。そのため、常に高い精度が求められ、責任の重さが大きなプレッシャーになることもあるでしょう。
一方で、構造設計の成果は意匠設計のように外観や内装として目に見えにくく、柱や梁、基礎といった部分は建物の表には現れません。プロジェクトが無事に完了しても、構造設計の貢献が直接評価される機会は多くないため、責任の大きさに対してやりがいや達成感を実感しにくいと感じる人もいます。
業務量が多く残業が発生しやすい
構造設計の業務は構造計算だけではなく、図面作成・計算書の取りまとめ・他部署との打ち合わせ・確認申請書類の準備・現場の立会いなど多岐にわたります。
特に、納期が迫る時期には業務が集中し、設計変更があれば計算や図面のやり直しもしなければなりません。業務量が多いことから残業や休日出勤が発生することもあるため、体力面や精神的にも負担を覚える人もいます。
構造設計の仕事内容
「やめとけ」という声がある構造設計ですが、そもそもどのような仕事なのか、改めて確認していきましょう。
構造設計は、意匠設計で決定した建築計画をもとに、柱や梁などの構造要素を配置し、建物の安全性を確保する仕事です。そのため、設計業務全体のなかでは、意匠設計の内容がある程度固まった中盤から終盤にかけて関わるケースが多いでしょう。
具体的には、構造計算を行って必要な強度や部材の仕様を決定し、その内容を意匠設計者へ共有します。構造計算には専用ソフトを使用するのが一般的で、企業によっては自社開発のソフトを使うこともあります。
一方で、中小規模の設計事務所などでは、汎用の構造計算ソフトを導入して対応しているケースもあります。
構造設計は、人々の命や建物の安全を支える重要な仕事です。設計ミスは重大な事故につながるおそれがあるため、正確性が求められます。建物にどのような力が加わるか、多角的に細かく検討できる人が向いている仕事といえるでしょう。
本当にやめたほうがいい?構造設計の魅力とやりがい
構造設計には厳しさがある一方で、魅力もあります。ここでは、構造設計のやりがいを3つ紹介します。
年収相場が高い
構造設計は、建築関連の職種のなかでも年収水準が高い傾向にあります。厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、建築設計技術者の平均年収は641.6万円で、専門性の高さや責任の大きさが給与面に反映される職種です。
そして、一級建築士や二級建築士などの資格を取得したり、経験を積んでプロジェクトの中心を担えるようになったりすると、昇給や昇進も期待できます。
実務経験を積んでいくほど任される業務の幅も広がるため、キャリアアップに応じて収入の向上を目指せる職種といえるでしょう。
ものづくりの達成感
構造設計の魅力のひとつは、自分が設計した構造が形になっていく様子を見届けられることです。施工が始まると、鉄骨が組み上がり、コンクリートが打設され、構造部材が建物を支えている過程を実感できます。
構造を計算するだけで終わりではなく、その後もデザインや設備設計との打ち合わせを経て、建物が完成へと向かっていく流れにも関わっていけるため、ものづくりの喜びを感じられるでしょう。
また、完成した建物は数十年にわたって使われ続けることも多く、自分の仕事が、社会の中で役立っているという実感を得られるのも大きな魅力です。
幅広いジャンルの建築物に携われる
構造設計は、住宅・オフィスビル・商業施設・病院・学校など、幅広い建築物に携われる職種です。木造住宅と鉄筋コンクリート造のビルでは、使う部材も計算手法も異なるため、建物ごとに異なる知識と対応力が求められます。
経験の幅を広げていくことで、一般的な住宅やビルだけでなく、商業施設や宿泊施設、観光施設などの大規模建築に関わる可能性があるのも、構造設計の魅力です。
構造設計に向いている人の特徴
構造設計は専門性が高く責任のある仕事で、向き・不向きが分かれることもある職種です。ここでは、構造設計に向いている人の特徴を3つ紹介します。
建築への熱意があり地道な作業をこなせる
構造設計は数値と向き合いながら安全な建物を支える裏方的な役割です。だからこそ、建築そのものへの関心と情熱が仕事を続ける原動力になります。
構造計算や図面のチェックなど、正確さが求められる細かい作業が中心で、集中力を切らさずにコツコツと取り組む姿勢が欠かせません。
責任感が強くスケジュール管理が得意
建物の安全性に大きな影響を与える構造設計は、人の命にも関わる責任の重い仕事です。そのため、どのような業務にも責任感を持って丁寧に取り組める人は、構造設計に向いています。
また、構造設計は、意匠や設備の進行状況に応じて、業務が一時期に集中することもあります。確認申請の期限や全体の工程を踏まえながら、優先順位を整理し、計画的にタスクを進める力も欠かせません。
責任感を持って業務に向き合えることに加え、納期を意識しながら計画的に仕事を進められる人は、構造設計の仕事で力を発揮できるでしょう。
多部門と調整するコミュニケーション力がある
構造設計は意匠設計や設備設計、施工部門など多くの関係者と連携しながら進める仕事です。構造が成り立たない場合は、構造上の問題点を説明し、代替案の提案をする必要もあります。
多くの関係者と円滑に連携しながら、安全性を踏まえて相手に分かりやすく説明できる人は、構造設計の仕事に向いているといえます。
まとめ
今回は、構造設計が「やめとけ」と言われる理由や仕事内容、魅力、向いている人の特徴を紹介しました。構造設計には、他部門との調整の難しさや責任の重さに対する評価の低さ、業務量の多さといった厳しい面があります。
しかし、ものづくりの達成感、幅広い建物に携われる面白さなど、魅力もあります。構造設計の経験やスキルを活かして新しい環境に挑戦したい方は、ぜひ建築転職に無料登録し、非公開求人をチェックしてみてください。
この記事を監修した人

株式会社トップリフォームPLUS
取締役
小森 武
保有資格:1級施工管理技士・一級建築士
最後までお読みいただきありがとうございます。
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